hamadata's diary

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ひさびさに本を読んだ。 完全なる証明

完全なる証明―100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫)
マーシャ ガッセン
文藝春秋 (2012-04-10)
売り上げランキング: 18802


ポアンカレ予想を証明し、フィールズ賞その他数々受賞を拒否したロシアの引きこもりニート数学者、グレゴリー=ペレルマンの生い立ち、その時代のソ連の数学事情を書き下したのが本書。

個人的には、そもそも概念自体がさっぱり分からないポアンカレ予想やペレルマン個人の生い立ちよりも、この本でかなりのページ数が割かれている旧ソ連の数学クラブの話の方に興味がいった。ペレルマンが所属したルクシン数学クラブから派遣された数学オリンピックの代表選手たちは、トータル70個以上のメダルを獲得したそうな。彼らはどうやって選別され、どのような教育を受けてその才能を開花させたのか?

本を読む限りでは、まず数学のできる子供がスカウトされ、数学クラブに所属して課外で特別な教育を受けていたそうだ。また、与えられた問題を考えて、先生にその解き方を1対1で説明するというプロセスを設けていたというのも興味深い。最初のスカウトのフェーズは、さほど精度の高いフィルタのようには思われないから、後者の指導方法の方になにがしか意味があったのだろう。

とりあえず、その指導方法について知った限りでは、数学オリンピックの選手をつくり出すには、とてつもない労力とコストがかかるようだ。(時間は区切られているが、一人の子供の指導に一人の指導者がついている超少人数教育が必要。)